この絵を描きながら、頭の中にはパリの街並みやセーヌ川などのイメージがあったのですが、出来上がってみて、特にパリらしい特徴が描けているわけではないので、表題には「パリ」の２文字は加えませんでした。ヨーロッパのどこかの街並みの
夕暮れ時の風景ということにしたいと思いました。
　このサイトで幾度かお伝えしているように、絵を描くにあたって何かを見ながら描くということが私にはできません。実物
を目の前にすると、それに捕らわれてしまって苦しくなってしまいます。何も見ずに、頭の中のイメージをただただ描いてい
くの中に楽しさを感じています。ですから、実際とはかけ離れていて、どこかおかしいところもあるかもしれません。
　イメージを追いかけながら、なにか変だぞと感じたらそれを修正していく。それの繰り返しで描いています。
　はじめは夕日が沈み切らないで、雲に隠れている状態というのをイメージしていたのですが、途中から完全に陽が沈んで空が夕焼けになっているという風景の方がいいかな、と思いこのような形になりました。
　しかし「夕暮れ時の街並み」という表題にしましたが、早朝のまだ日が昇らない朝焼けに照らされた街並み、という風にも見ることができるな、と思い、面白く感じています。